わたしが結婚した頃、すでに古賀家にいたアース。
アースは雌犬でした。(アースは主人の弟が命名したそうです)
初めて会った時から、吠えないでいてくれて、奈良の母が喜んでくれたことを思い出します。
「アースは雌犬だ」と頭では分かりつつも、なぜだか「雄」と間違えることがしばしばでした。
なんというか、雰囲気がおじさん風の犬でした。
昼寝の最中も、よくいびきをかいたり、オナラをしたり、なんだか雌感が私の中で薄かったです。
話しは変わりまして、実家では基本的に動物は外で飼う、というのが主流でした。
今でこそ、兄家族が家の中でミニチュアダックスフンドを家の中で飼っていますが、そもそも座敷犬系を飼ったことがありませんでした。
それもあってなのかどうか分かりませんが、小さい頃から、犬や猫、鳥、うさぎなどの、大半を庭で飼っていました。
そして、ペットへのエサですが、犬に関しては残飯をあげていました。
「犬には塩気などは必要ない。」
「ネギ類はあげちゃダメ。」
「鳥の骨はあげちゃダメ。」
などなど、小さい頃から聞かされてきた犬のご飯に対する実家での注意事項でした。
結婚して、初めての奈良への帰省で衝撃をうけたこと。
アースの食生活でした。
アースは三雄お父さんと仲良しで、基本的には外犬でしたが、お父さんの気が向くと、家にあげることもしばしばでした。
仕事をしていた頃は、お父さんの昼寝の添い寝相手でした。
昼寝から目を覚ますと、結構ざんない感じで「ホレッ」と言って、再び外に出されるアース。
そんなアースの食生活は、実家の犬を思うとなんというかバブリーな感じでした。
三雄お父さんの毎日の昼ご飯でもある、温かいお蕎麦の汁の半分を、「ホレッ」と言っては、飲ませてもらう。
お父さんが食べる朝のヨーグルトを、少々容器に残るように食べ、またそれをアースへ。
そして、お父さんのパンの耳はアース担当。
お葬式や、外食などで何か残ると、ティッシュでおかずをくるみ、帰ってからオードブルや、天ぷらなどをあげたり。
おやつの時間には、クッキーやおせんべいなど自分の分を欠いて、あげたり。
そして、もうおばあさん犬でしたが、ずっと二回食でした。
これはほんの一部ですが、実家での犬の飼い方とのあまりの違いに、衝撃が走ったのを憶えています。
つい最近知りましたが、主人の弟の嫁さんも、結婚してアースの食生活を見て、よく帰り道弟に「あれはアカンやろ。」と彼女もかなり、衝撃を憶えたと聞きました。
あ、なんだやっぱり、私だけではなかったのね、と知りました。
そんなアースは、正確な年数は不明ですが、約17年間、生きることができました。
何年前からか定かではありませんが、犬フィラリア等最低限必要な予防接種も受けることなく、その年まで生きたアース。
昨年、母と同じ年の夏に旅立ちました。
つくづく、寿命って分からないもんだなぁとおもいました。
たまたまなのかもしれません。
でも、なんだか「あれもダメ、これもダメ。」と言われて過ごすのではなく、かなり自由に過ごせたアースは幸せだったのだろうか?と思う去年のお別れでした。